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君とメメント・モリ
第6章 なぜ死神は現れたのか
不思議なことに男は、凛が夢想したまさに理想的な男をそっくりそのまま具現化した肉体と顔を持っていた。声までもが、耳の奥に溶けて流れ込んで心臓を震わせるような、凛が理想とする深くて甘い声をしていた。

クリスマスの料理を一人で食べるより、自分の理想を絵に描いたビジュアルの男(その頭の構造はさておき)と食べるほうがましかもしれない、と凛は思い始めていた。
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