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君とメメント・モリ
第6章 なぜ死神は現れたのか
「処罰を受けるというのに、なぜ私を生かしたんですか」

「よくわからないが、とっさに腕を掴んでしまった。
死神と言うのは人間を死に送り込むとき、その人間と思考を共有する瞬間があるんだ。
おまえ、落ちる直前に、死ねないって強く思っただろう。多分、そのせいだ。お前のせいだ」

「そんなこと言われても」

「それにしても、食べ物と言うのはこんなにうまいものなのか。俺には味覚が備わったらしい」

男は料理を次々と口に運んで、喉を詰まらせた。
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