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青い果実
第4章 居酒屋

でも、誠一はエリと行くと言うと快く許可を出してくれたのだ。

この時も、私には誠一に対する罪悪感などなかった。
心のどこかで、私を抱いてくれない誠一を責めていた。

私の心と身体は若くて青い果実を求めてやまなかったのだ。
その、まだ青い果実は一体どんな香りがして味がするのだろう。

そんな事を考えていた。
私は、トオルに返事を書いた。

「金曜日の夜、大丈夫よ…」
「良かった。じゃ、横浜で夕方6時でどう?」

「大丈夫よ…分かったわ…」
「俺、すっごい愉しみ…」

そんなやり取りをしていたと思う。
そして、金曜日がやって来た。

私は、夕方4時近くになるとメイクを初めて、身支度を整えた。
メイクはとても念入りにしたのを覚えている。

私は、この日、花柄のベージュのワンピースを着てゆくことにした。
このワンピースは私のお気に入りだった。

夕方5時頃に徒歩で駅前まで行った。
そこからあざみ野まで出て、市営地下鉄線に乗り横浜で降りる。

横浜駅のどこで待ち合わせたのかは覚えていなかった。
多分、高島屋かルミネとか相鉄線改札口の辺りだったような気がする。

横浜駅は金曜の夜とあって、大勢の人達が行き交っていた。
私は、そんな大勢の人たちに混じりながら待ち合わせの場所まで行った。

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