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きのうの夜は
第12章 きのうの夜は
高山と一夜を過ごして私は土曜日の早朝に自宅に戻った。
それは、吉村からの電話がまた来るだろうと予想できたからだった。

自宅に着いたのが朝の8時だった。
案の定、家に着くと直ぐに私の携帯が鳴ったのだ。

出てみると吉村だった。

「お前、きのう俺がどれだけ電話したと思ってるんだ?」
「知ってるわ…」

「何で、電話に出なかったんだ!!」
「出たくなかったからよ…」

「きのうの夜はどこで誰となにしてたんだよ!!」

私は何も言えなくなってしまう。
吉村は高山との関係を薄々気づいていたのだろう。

「言いたくないわ…」
「もしかして、高山と一緒だったのか?」

それを聞かれて、私はちょっと黙ってしまう。
だが、真実を知らせなければならないと思った。

「ええ、高山くんと一緒だったわ…」
「え?」

吉村は電話の向こうで驚いている様だった。

「やっぱり、高山と一緒だったのか?」
「ええ、そうよ…」

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