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きのうの夜は
第5章 天川村

「あ、彩夏のか、身体は本当に気持ちいいな…」

吉村は私の耳元でそう囁くのだ。
私はその言葉を聞くと益々身体が濡れてゆくのを感じていた。

微かに二人の吐息が部屋に満ちている。
民宿のとこかからまた人の笑い声が聞こえてくる。

その声を聞くと私は緊張したが興奮もしていた。
誰かに見られて、聞かれているのではないか。

そう思うと何故だか身体が濡れてゆくのだった。
それは、吉村も同じようだったのだ。

声を押し殺しながら吉村に身体を突かれていた。
その時間はとても長く感じた。

暫くすると、吉村の身体が微かに痙攣している様に思った。
それと同時にペニスが膨らむのを感じたのだ。

膨らむと一気に吉村は私の身体に射精してゆく。
ペニスはドクンドクンと脈打っている。

私の膣壁はヒクヒクと痙攣していたのだ。
私は、この状況下でエクスタシーを感じたのだ。

吉村とのセックスではエクスタシーは感じられないのではないか。
そう思っていた時だった。

私たちは静かに身体を離した。
そして、コンドームをティッシュで包むとバッグへとねじ込んだ。

流石に、民宿の部屋のゴミ箱には捨てる事はできないと思ったのだ。
天川村の夜はこうして闇夜に溶けてゆくのだった。

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