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きのうの夜は
第8章 八丁の湯
吉村はまた私が嫌がるのにキスをして来た。
私は思い切り吉村の身体を手で跳ねのけた。

「無理強いしないで…」
「なんで、そんなに俺とセックスするのイヤがるんだ?」

それを言われるとどう答えて良いのか分からなくなる。

「今夜はそんな気になれないから…」
「いいだろう?旅先ではいつもと雰囲気が違うだろう?」

「ええ、確かに違うわ…」
「だったら、いいじゃないか?」

「でも、隣の人の声が聞こえるのよ?」
「なるだけ声を抑えればいいじゃないか…」

「抑えるなんて出来ない…」

そう言った途端にまた吉村は強引にキスをしてくる。

「いいだろう?お前は俺のモノなんだから…」
「ち、違うわ…」

私はちょっと声を大きくしてそう言った。
そう言っても吉村はいう事を聞かない。

私の身体に馬乗りになると浴衣の帯紐を解いてゆく。
力任せに胸元をはだけさせて乳房を露にした。

「や、やめて…」

私は抵抗しながら小さな声でそう言った。

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