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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第6章 伍の巻
 いかめしくゆく手に立ちはだかる門に気圧されながらも、なお公子が一歩を踏み出そうとしたまさにその時、公子のゆく手を大きな影が遮った。
「姉ちゃん、こんな時間にこんな場所で何をしているんだ?」
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