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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第6章 伍の巻
 二人の男に上半身と下半身を押さえつけられている。弟の方が公子の両脚を持って、大きく開いた。力任せに脚を開かされ、公子の口からくぐもった悲鳴が洩れた。その瞳が恐怖で一杯に開かれている。
 その拍子に捲れた着物の奥の翳りがちらりと見えた。
 男たちが涎を垂らしそうな顔で、互いに顔を見合わせる。弟の方がゴクリと喉を鳴らす音がやけに大きく響いた。
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