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その一言が欲しかったんだ
第4章 帰ってくるまで
『わけわかんないよ…』
莉奈は涙声でポツリと呟き
ベッドへ腰かけた。
『和也さん…』
『なんでこんなことしたの…?』
莉奈が顔を上げると、
バターナイフが目に入った
(これで鍵開けられないかなっ?)
莉奈はバターナイフを手に取り
座り込んで鍵穴ににバターナイフを当てる
先っぽが少し入り
莉奈は力一杯ぐりぐりとナイフを回した
『痛っっっ』
ナイフは鍵穴から滑り
押さえていた手に当たった
『いったっ………』
左手にはナイフの擦り傷と
うっすらと血が滲み出てきた
『うっ… うっ…』
莉奈は自分の無力さに
涙を流した