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エリート妻色情飼育
第82章 第七十三章 裕子の想い
何度話し合っても無駄であった。
もう、夫に愛を感じられない。

離婚してスッキリしたと思っていた。
しかし、一人寝を重ねる毎に徐々に大きくなるものを感じ始める。

その得体の知れない「何かを」消したくて、もがいていた頃に幸造の秘書になった。

秋元薬局に入社して三年間、悟の優秀な部下として「商品企画課」で充実した日々を送っていた。

語学にも堪能な裕子はそのクールな美貌もあって、既婚者であるにも関わらず社内の男性陣の憧れであった。

離婚のニュースは瞬く間に社内に広がり、熱い視線が更に強く裕子に向かうようになった。

だが、裕子はどんな男でも無関心でクールに対応するのだった。

悟を除いて。

初めて出会った時から悟の魅力にひかれていた。
夫がいるにも関わらず、いや、だからこそ悟と比べて愛が冷めていったせいもある。

悟も裕子のことは入社以来、気に留めていた。
だが人妻であることと、自分の母親の苦い記憶のため恋心は押さえていたのだ。

しかし、裕子に離婚したことを打ち明けられて気持ちが揺らいだ。
悟を見つめる裕子の熱い眼差しが、心に染みこんでいったのだ。

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