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第206章 第一部　プロポーズ 　第一章　再会

【早苗さんっ・・・】
二人の声が重なる。

「ふふふ・・・」

春香には微笑む表情が愛らしく感じた。
夫の克己も同じらしく、興味深く見つめている。

コットンパンツに身を包んだ長い両足がすらりと伸び、白いラフなシャツが絞ったウエストに強調されたバストの割れ目を覗かせている。

肩先まである髪は軽くウェーブがかかり、薄い茶色に染めていた。
三十代後半だろうか、幼い顔立ちが笑みを浮かべて幸造に寄り添う姿は娘のようにも見える。

「お、おネェ様ぁ・・・」
裕子が涙声で彼女の胸に飛び込んだ。

「裕子ぉ・・・」
その女性も涙を滲ませてギュッと抱きしめている。

裕子が呼ぶ名に春香は胸をときめかせた。
二人でするレズビアンプレイの呼び方だからだ。

（も、もしかすると・・・）
二人の関係を想像して頬を染める。

戸惑いの表情をする給仕に気づき、幸造は二人を席につかせた。
ざわめきがおさまると、おもむろに紹介を始めた。