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第219章 第十一章　悟と裕子の結婚式

東京の伝統ある教会。
大勢の招待客を前に悟と裕子の結婚式が始まる。

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春香結婚十か月目「教会」　
20●3年7月20日　AM 11:00


高い天井まで届く窓から光が降り注いでいる。
オルガンの重厚な音が鳴り響く中。

ヴァージンロードを裕子が歩いてくる。
父の腕を取っていた白いレースに包まれた手が、悟のタキシードの腕に移された。

布地越しなのに、二人には互いの温もりが分かる。
悟と見つめ合った裕子の瞳は「想い人」を映しながら、頬をバラ色に染めていた。

（裕子・・・）
（悟様・・・）

声に出さなくても呟きが聞こえる。
今の瞬間、生きていて良かったと震えるほどに実感する二人だった。