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天狐あやかし秘譚
第91章 顧復之恩(こふくのおん)
♡ーーーーー♡
【顧復之恩】親に慈しみ育てられた恩のこと。
いつか、この身に受けた恩を返していくぞ・・・、みたいな。
♡ーーーーー♡

「お前ら!なんで!!」

御九里は絶対に感知できるわけがないと思っていた。たとえ、自分が仙台にいると分かっても、この場所にいるところまではわからないはずだと。それもそのはずだ。そもそも御九里自身も、巧妙に隠された十和子の妖気を追うことができずに、いろいろな情報網を駆使して、やっとのことでここまで辿り着いたのだから。

しかし、そんな抗議とも疑問ともつかない言葉を日暮が一蹴する。

「『なんで』も何もありません!・・・私!ホントに、ほんっとうに!心配、したんですからぁ!!!」

彼女は腰にくくってある革袋から、一握りの石を取り出すと、ぎゅっと握りしめて呪言を唱える。

「石気鳴動!鎮星・歳破神よ、傷門、杜門、驚門、死門に至れ!」

そのまま石礫のようにそれを十和子に投げつけた。石礫がバラバラと十和子に当たるが、それ自体には全くダメージはないようだ。日暮が両の手で複雑な印を次々と結んでいく。

「月家奇門、遁甲神機、石よ応えよ!・・・神羅天帝、急々如律令!」

ブウンッと散らばった石の一つ一つが色とりどりに光り、震え出す。十和子の周囲に散らばった石たちが、それを囲い込む結界を形成し彼女をその内部に捕らえてしまう。

「・・・っ!」

両の手を拡げ、左右の親指同士、人差し指同士をくっつけた形・・・日輪印を形成して前方に突き出し、最後の呪言を奏上する。

「石気結界・歳破鳴動呪!」

キィン・・・!

石の鳴動が共鳴しあい、結界内部の空間全てを超高周波の振動で揺さぶり尽くす。

「ぎゃああああっ!!!」

十和子の鬼の皮膚が裂け、目、耳、鼻、その他すべての穴という穴から血しぶきが上がる。複雑な振動数を組み合わせた超高周波振動は、十和子の身体のあらゆる部分と共鳴し、呪的エネルギーを注ぎ込む。たとえ最硬度を誇る皮膚であっても、微細かつ高頻度の振動で突き崩されてしまい、その硬さは全くの無意味となる。

これが、日暮が唯一(素面で)使える、最大の攻撃呪術『歳破鳴動呪』である。
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