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年の離れた妹
第4章 兄妹
アパートを出ると近くの駅から地下鉄に乗り、僕がよく知った街に出かけた。週末の繁華街は人でいっぱいだった。僕たちは街を歩きながら、子供の頃の話をしていた。そして元の兄妹に戻りつつあった。しかし妹は、少しずつ表情が暗くなっていた。僕はその暗さが気になっていた。それは兄妹で一線を越えてしまったことだろうか、僕はそう思っていた。

「えっちゃん、観覧車に乗らない?」
「…うん、乗る!」
都心の遊園地にある観覧車だった。そして遊園地は子供の頃、兄妹で時々遊びに来た場所だった。

「えっちゃん、覚えてる?」
「覚えてるよ!兄ちゃんにジュース買ってもらったもん」
僕は忘れていたが、確かに妹にジュースを買ったことがある。そして小さなえっちゃんは、いつもちょこんと座り、嬉しそうにジュースを飲んでいた。

「はい、ジュース」
「わーい、兄ちゃん大好き!」
僕には妹が、無理に明るく振舞っているよう見えた。僕は前夜の出来事が、単なる間違いだと思いたかった。そして順番が来ると、僕は妹とゴンドラに乗っていた。

「ゴンドラって、こんなに小さかったっけ?」
「えっちゃんが大きくなったんだよ」
「…そう、恵津子が大きくなった」
同じセリフを小さな声で呟くと、妹はまた涙ぐんだ。そしてさらに小さな声で、僕に告白した。妹はもう一月近く、生理が来ていなかった。

「…恵津子、妊娠してるかも」
「部長さん?」
「うん…でも、彼とは結婚できない」
妹は涙をながし、低い声で泣いていた。僕は向かいに座っていたが、恵津子の横に移った。恵津子は僕の胸に顔を預けると、ゴンドラが地上に到着するまで泣き続けた。

「帰ろう、えっちゃん」
地上に到着すると、僕は妹の手を引いて遊園地を出た。そしてタクシーを拾うと、自分の部屋に戻ってきた。いつの間にか、18時を過ぎていた。
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