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Lの劣情
第1章 2024年6月吉日
 3

「あ、はい、そうなんですぅ…」
 と、わたしもアイ先輩の薬指をチェックしながらそう呟く。

「そうなんだぁ…
 みっきはモテそうなのにぃ…」

「いやいやアイ先輩こそモデルみたいでぇ…」
 と、お互いの傷を舐め合うかの様な返しをすると…

「うん、いや、なんか男は苦手でさぁ」
 そう苦笑いを浮かべながら返してきた。

「でも、今日はなかなかなメンバーがいるそうですしぃ…」
 わたしはそんなアイ先輩の言葉をサラリと流してしまい、そしてそう返す。

 そうなのである、今日の新郎は現役の某スポーツ競技のプロ選手であり、しかも新婦よりも5歳下なのであるから…

「ほぼ皆独身らしいですよぉ」
 と、わたしはおちゃらけ気味に応えた。

「ふーん、そうなんだぁ…」
 だが、アイ先輩はさほど興味は示さなかった。

 そしてそうおちゃらけ気味に言ったわたし自身も、本当は、さほど、いや、殆ど興味は無かったのである…

 しばらくは男はいいかな…
 本音はそんな心境であったのだ。



 結婚披露宴パーティーは、さすがに元プロバスケ選手と現役某プロスポーツ選手とのパーティーであるから、少しのマスコミと新郎新婦の関係の少しの芸能人も参加した楽しく、派手な披露宴パーティーといえた…
 
「ねぇみっき、今夜は?」
 すると、間もなくパーティーも終わりという頃にアイ先輩がそう訊いてきた。

「あ、はい、いちおうホテルは予約してあります」
 現在、まだ午後8時前… 
 わたしは余裕で電車で帰れるのだが、いちおうホテルの予約はしておいた。

「え、そうなの、じゃぁさ、この後さ、久しぶりに2人でどう?」

「はい、喜んで行きたいですけど、アイ先輩は?」



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