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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第3章 第2話 飴と鞭とお金
 高校受験の模試の成績が悪かった、高校を体調不良で早退した、大学の1年生の時にいくつかの科目で再試にかかった。

 その度に母は私を殴った。そして次の模試で成績が再上昇したり2年生は再試ゼロだったりしたら人が変わったかのように私を絶賛した。

 母は飴と鞭のつもりかも知れなかったが、私は実の親に鞭を求めたことなど一度もない。


 私の大学卒業を間近にして母が脳梗塞で倒れた時、私は本気でそのまま死んでくれればよかったのにと思った。

 後遺症が残った母は地元の病院の看護師の仕事を引退して、今は障害年金と貯金、これからは私の仕送りもあてにして生きていく。

 だから私はお金が欲しい。一刻も早く初期研修を修了して少しでもお給料が高い診療科に就職したい。


 隣の部屋の物音が筒抜けになる古びたワンルームアパートの一室で、私はこの一日がさっさと終わればいいのにとだけ思った。

 賢人に会いたい。だけど今日は神経内科の当直だと言っていたから今電話すると迷惑になるだろう。

 それに、賢人と会ってデートすればまたお金がかかる。


 解川さんや物部君はきっとこんなことに悩まなくていいのだろう。彼らは仕事と家庭と研究のことだけを考えていられる。

 日比谷さんは大学が国立だから親孝行だと言われても、人の幸せは結局お金があるかどうかだ。
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