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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第1章 プロローグ 先輩の首を絞めた日
「僕とこうやってデートしてくれたら、その度に君に5万円をあげる。悪い話じゃないはずだ」
「いっ、要りません、そんなお金……」
「だったらどうして会ったんだ、正体が誰かも分からないような男と!!」
「……」
私を床から見上げながらそう言った先輩の目には、確かな光が宿っていた。
「受け取れ。僕とここでこうした以上、君にはこれを受け取る義務がある」
「……っ!!」
私は先輩が差し出した5万円を奪い取るように右手でつかみ取り、そのままバッグの中の財布にしまい込んだ。
そして先輩を置き去りにしたまま私はラブホテルの部屋を出て、泣きながら阪急京都本線の大阪梅田駅へと走った。
先輩の名前は|嶋田《しまだ》|興大《こうだい》といって、私より4歳上の職場の先輩だった。
そして、私と先輩は同じ職場の同じ仕事で働く仲間だった。
これが、私がかつて夢見た「お医者さん」の生活だったのだろうか。
「いっ、要りません、そんなお金……」
「だったらどうして会ったんだ、正体が誰かも分からないような男と!!」
「……」
私を床から見上げながらそう言った先輩の目には、確かな光が宿っていた。
「受け取れ。僕とここでこうした以上、君にはこれを受け取る義務がある」
「……っ!!」
私は先輩が差し出した5万円を奪い取るように右手でつかみ取り、そのままバッグの中の財布にしまい込んだ。
そして先輩を置き去りにしたまま私はラブホテルの部屋を出て、泣きながら阪急京都本線の大阪梅田駅へと走った。
先輩の名前は|嶋田《しまだ》|興大《こうだい》といって、私より4歳上の職場の先輩だった。
そして、私と先輩は同じ職場の同じ仕事で働く仲間だった。
これが、私がかつて夢見た「お医者さん」の生活だったのだろうか。