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夜に咲く名前のない恋人達
第11章 売上バトル

11月15日。
今月のイベントである司チームVSルカチームの売上バトルの折り返し地点。
特典会が終わり、ぷりんは控え室の隅でスマホを見つめていた。
響のSNSの投稿には、売上バトルの経過が書き込みされている。
その差は300万。
司チームがリードしている。
それが逆転可能な数字なのか、絶望的な差なのかも分からない。
ただ、小さく息を吐きながら呟いた。
「300万か……」
すぐ隣で気難しそうな表情でスマホをいじっていた姫が、ぷりんを睨むように見た。
「300万なんて1日で取り戻せる額でしょ。司はいったい何してんのって感じ」
「そっか……」
姫の言葉に返事をしながらも、ぷりんは何とも言えない気持ちになる。
姫先輩の考えていることが、全く分からない……
ぷりんの炎上を防ぐように動いてくれたこともあれば、今は司の味方としてルカを追い詰める側にいる。
まるで天秤の上を器用に歩くように、姫はどちらにも傾かず、どちらのためにも動く。
その意図が見えないからこそ、怖い。
「ぷりん……」
唐突に名前を呼ばれて、顔を上げると、姫はスマホから視線を外さないまま言った。
「今日、変身セット持ってる?」
「え……?」
一瞬、意味がわからず聞き返した。
今月のイベントである司チームVSルカチームの売上バトルの折り返し地点。
特典会が終わり、ぷりんは控え室の隅でスマホを見つめていた。
響のSNSの投稿には、売上バトルの経過が書き込みされている。
その差は300万。
司チームがリードしている。
それが逆転可能な数字なのか、絶望的な差なのかも分からない。
ただ、小さく息を吐きながら呟いた。
「300万か……」
すぐ隣で気難しそうな表情でスマホをいじっていた姫が、ぷりんを睨むように見た。
「300万なんて1日で取り戻せる額でしょ。司はいったい何してんのって感じ」
「そっか……」
姫の言葉に返事をしながらも、ぷりんは何とも言えない気持ちになる。
姫先輩の考えていることが、全く分からない……
ぷりんの炎上を防ぐように動いてくれたこともあれば、今は司の味方としてルカを追い詰める側にいる。
まるで天秤の上を器用に歩くように、姫はどちらにも傾かず、どちらのためにも動く。
その意図が見えないからこそ、怖い。
「ぷりん……」
唐突に名前を呼ばれて、顔を上げると、姫はスマホから視線を外さないまま言った。
「今日、変身セット持ってる?」
「え……?」
一瞬、意味がわからず聞き返した。

