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池袋ウエストゲート・ラブホテル〜追われる美女の事情(わけ)
第3章 美しき娼婦の誘惑
 漏れる息が甘くなってくる。うっとりと目をつむり、自分の舌を絡めてきた。舐めたり突いたりしながら、次第にキスが深くなる。女の反応がどんどん積極的に、大胆になる。彼の口の中に忍び込んできた小さな舌を、唇を窄ませ捕まえた。捕らえた女の舌を吸ってやると、

「んんっ……」

 吐息が鋭く変化した。肩の震えも大きくなる。それなのに女の身体はもっと柔らかくなり、熱くなってくる。

 横目で時計を見る。そろそろ時間切れだが。

 いきなりキスをやめた。ずっと押し付けていた唇を離したら、唾液が透明な細い糸を引いた。部屋の灯りに妖しく光り、彼と女のあいだに落ちた。

「はあ、はあ」

 細目を開け、大きく息をついている女を背もたれに寄り掛からせてやる。ホテルの受付へ電話をかけ、延長したいと伝えた。

 ソファに戻り、ぐんにゃりした女体を抱いた。

「神岡さんのキス……ヤバい」
「まだだよ。許さない」

 ささやきにささやき返し、キスの続きを……。

「えっ……だめっ、んんっ」

 驚きと拒絶が、触れ合わせた唇と唇のあいだで甘く溶けていった。

 長いキスのあと、ミカの澄ました美人顔に官能が加わり、とろけた女の顔になっていた

 ……これならそそる。できるならもうひと押し欲しい。澄ました生意気な美女をかわいい女へ落としてやる。
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