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美味しいサンドイッチの作り方
第23章 6日目 かりきのドームシティ
『誰だよ?めっちゃ咳してんじゃん』
誰かが激しい咳をしてるのが聞こえて、
その咳が聞こえてくるのは
今から向かって行く方向で。
ある部屋が近づいて来ると
ゴホゴホと咳の音が更に聞こえる。
光が持っている懐中電灯で
咳が聞こえて来ている部屋の
名称を確認すると保健室と書かれていて。
「保健室……」
『ゴホッ…ゴホッ、ハァッ…
ハァッ…、く、くるしいよ…ぉ…。
だ、だれか…、ゴホッ…』
『2人は…おだいじにを知ってる?』
「おだいじに?病気の人に
掛ける言葉のお大事に??」
学校の怪談とか…7不思議とか…
トイレの花子さんが有名だけど。
おだいじにって言う怪異があるんだよ。
『ドア、開けるよ?』
翔が保健室のドアに手を掛けると
ガラガラと音を立ててドアが開いて。
誰かが激しく咳き込んでいた
その苦し気な息遣いが、
クリアに聞こえる様になって。
『なぁ、翔、これが…お前の言う
おだいじにってやつなのかよ?』
並んでいる保健室のベッドの中を
1つ1つ光が懐中電灯で照らすと
こんもりと布団が盛り上がってる
ベッドがあるのが…見えて。
「ううっ…、だ、だれか居るの?」
『ゴホゴホッ…ッ、くる…し…ぃ…』
確かに咳も声も…その
ベッドの上の盛り上がっている
布団の下から聞こえていて。
その盛り上がってる布団に
手を伸ばした手をガシッと翔が掴んだ。
『なゆた、それは…、
”おだいじに”だから
布団はめくったらダメだよ』
そう言って保健室を出ようと言って
翔が後ろを振り返ると。
その布団の山に向かって。
『お大事に』
と…声を掛けていた、
その怪異?幽霊は…見てしまったら
呪われちゃう類みたいなんだけど、
おだいじにって3回唱えたら
呪いから逃れられるみたいで。
『なぁ、翔…、お前なんで
布団捲ってねぇのに
おだいじにって言ったんだよ?』
保健室を後にして
廊下を歩きながら、。
光が翔に声を掛けたら。
『だって、あのおだいじにが
例え、再現された
怪異だとしても…あんな咳してたら
苦しいだろうし、お大事にって位
言ってあげたくなっちゃったからさ』

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