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銀狼
第2章 禁断の森

可哀想な彼女のブルーの瞳は、臆病なネズミのように男を見上げて揺れている。

辺りも暗闇を増し始め、誰も通らぬ道で助けを頼みにできる筈もなかった。


「見ろよあそこ、小屋がある」


怯える彼女に気を良くしたひとりが、森の木々の隙間に山小屋を見付けて指し示す。


「ちょうどいいや」

「俺らにも休息が必要だってことだな。休息と…癒しがなぁ……ハハっ」


早速、馬の手綱を手頃な木に固定し始めた男達は、みな一様に舐め回すような視線をセレナに浴びせた。


「…そうだな…そろそろ楽しむか…!! 」


リーダー格らしい鷲のような目の大男が、豪快に笑っていち早く森に入る。

セレナは左右からはさまれた状態で、無理やり山小屋に連れていかれた。



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