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銀狼
第10章 討伐

「やはりお前は、銀狼に囚われていたのだね」

「…ち、違うの」

「嘘はやめなさいセレナ」


侯爵はセレナの頭に手を置く。

そしてじわじわと赤くなっていく彼女の目を覗き込んだ。


「なら銀狼の居場所も知っているだろう。我々に教えてくれ」

「……嫌です」

「何故だい?」


不可解な娘の返事を受けてなお、彼は柔らかく尋ねた。


「…心配しなくていい。知っている事を何でもいいから話してくれ」

「…殺さないで」

「…ッ…自分が何を言っているのかわかっているのか?」

「彼を殺してはいけないわ…っ」

「……セレナ」


侯爵は溜め息をついた。

いつになく強情なセレナを不審に思う。

まるで今の彼女は幼い頃に戻ってしまったようだ…。



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