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銀狼
第11章 儚き運命



不意に銀狼は空の月を仰ぎ見ると、口元に妖しげな微笑を浮かべ──


そして再び、言葉を紡いだ。










「 ………此処は聖なる地






 ───…約束の地






 其の土が、其の草々が






 人に踏まれ穢された時───






 其の者は我が一族に






 火と流血の雨を齎すであろう






 其の時こそが






 滅びの始まり






 終焉の訪れ…───






 我等の血肉は此の地に沈み






 我等の魂は森を彷徨う……… 」












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