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銀狼
第2章 禁断の森


「よぉし!ここまで来りゃあ大丈夫だな」


先頭を走らせていた男が、しわがれ声とともに手綱を引いて馬の足を止めた。

その男に続くのは 五、六人の、そろって気性の荒そうな男達だ。



「へへっ、そろそろ休憩してやらねぇと…」

「コイツらも疲れてきた」


馬の背を叩きながらひとりが言う。

ある者はゴキゴキと肩を回し
ある者は背後を不安そうに見渡し


「それに……へへっ」


またある者は、無精ひげをまとった口許をにたりと邪悪に歪める。

その目線は自らが抱えた大きな荷物に向いていた。


「こいつも…な…!! 」


男はさも愉快げに、まるで蛙がしがみついているかのような醜い鼻から荒く息を吐きながら笑った。



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