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真優 小学4年生
第1章 はじまりの・・・
真優が俺の部屋に来るようになってから3か月経った。
真優は半年前に引っ越して来た隣の部屋に住む母子家庭の一人っ子だ。
ある日、家に帰ると真優が自分の家のドアの前で、
ランドセルを背負ったまま悲しそうに座っていた。

「どうしたの?」と尋ねると、

「いえのカギをなくしたの・・・❤」とシクシク泣きながら話した。

「お母さんは?」

「おしごとでまだかえってこないの・・・❤」

「何時頃お母さんは帰ってくるの?」

「ママは・・・よる、7じころ・・・❤」

「そっか・・・ここじゃ寒いからおじちゃんの家で待っていようか?」

「いいの?❤」

俺は真優の家の玄関のドアに、母親宛てのメモを置いて真優を俺の家に入れた。

「真優ちゃん、ジュースでも飲む?」

「おじちゃん・・・まゆの名前なんでしっているの?❤」

「だって、真優ちゃんお家の玄関に名前が書いてあるでしょ?」

「お母さんは、斉藤真帆、君は斉藤真優だよね」

「おじちゃんのなまえは?❤」

「ぼくの名前は、太田祐司」

「おおたゆうじ・・・❤」

「そうだよ。でも“おじちゃん”て、呼んでくれればいいよ」

「うん。わかった❤」
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