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第10章 定期試験

「佳奈、前の数学のノート見せてくれない？」

「う、うん、、これ…」

「ありがと！」

トシくんは笑顔で私からノートを受け取ると、自分の席に戻って行った。

その様子を見ていた莉奈がすかさず顔を寄せてくる。

「ちょっと！佳奈、いつの間に谷本くんと仲良くなってんの！？」

「う、え、あっと…」

目を輝かせている友人の言葉に、私は次第に顔が熱くなった。

あれからトシくんは学校に復帰した。
帰ってきたリーダーを迎えたクラスメイトにすぐに溶け込む彼の様子は今までと変わらない。

ただ違うのは、、