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警察学校拘束体験研修
第3章 お膳立て
バタンッ…と扉が閉まる音が聞こえ、彼女はその扉の方に体の向きを変えていた。

「拘束衣担当の里奈(りな)です…」
「縄担当の彩(あや)です…」
「フィルム担当の香織です…」

女性講師陣が矢継ぎ早に名前を伝えてきたことで、彼女は3対1になっていることを瞬時に理解した。だが自分がどこにいるのか、認識することができなかった。

彼女は道場から約50歩のところにある、旧医務室に連行されていた。机や棚などは全くなく、部屋の奥の窓にはカーテンが敷かれていた。ただ床にはマットが敷かれていた。それは体育館で保管されているマットだった。それが旧医務室の床に隙間なく、何枚も敷き詰められていた。

彼女は誰かが近付いてくるのを感じ、とっさにうつ伏せになり、体を前に進ませようとしていた。荒い呼吸の中で、(どこかで嗅いだことのある匂い…)と気付き、腰に誰かが乗るのを感じ、「ンッ…」と小さく体を揺らし、近付く脅威に抵抗を示していた。

それはフィルム担当の香織だった。彼女の腰の上にドカッと座りこんでいた。

「惜しかったわね…」と香織は言い、彼女の手首を抑えた。
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