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スパイ少女は奴隷になる
第4章 新しい生活
「あ、ありがとう……ございます……」
 
 私は小さな声でお礼をして、床に散らばった食事に口をつけました。トーストのバターの香り、焼けた卵と塩の味、それらを味わうたびに涙があふれてきました。その涙は屈辱や悲しさ故ではありません。美味しくて、幸せだと、死なずに済んだんだという実感がこみ上げてきての嬉し涙です。

「んぐっ、はぐっ……んぐっ」

 犬のように床を這いながら、口の周りを汚して必死で食べる姿は、きっと他人が見れば目も当てられないくらい惨めな姿でしょう。それでも、私は一心不乱に、汁に浸って柔らかくなったパンや、ぶちまけられたスクランブルエッグなどを口に運んでいきます。
  そしてお腹いっぱいになった私は、急に耐えがたい恥の感情が込み上げてきて、正座の姿勢に戻ると、食べカスまみれの顔を真っ赤にしたまま俯くことしかできませんでした。

「随分と卑しいな、お前。まるで犬以下だ」

 嘲笑う彼の声を聞いて、私は恥ずかしさに耐えきれず、奥歯を嚙み締めました。彼は、そんな私に対して足を差し出すと、「掃除。」と容赦無く命令されます。
 私は気恥ずかしさと足や床を舐めるという行為への抵抗感から、躊躇してしまいます。ですが、まごまごしていると横腹に蹴りを入れられて、早くしろと言う無言の圧を受けて、ゆっくりと舌を這わせ始めます。

「ぐすっ……、んちゅ、んえっ……」
 
 まずは足裏を舌がなるべく広くあたるように、舐めていきます。さらに、足裏を舐め終わると、彼の指一本一本を軽く咥えて、爪の間やつま先の汚れを舐めて吸い出します。次に指の間にも丁寧に舌を差し入れて綺麗にして、最後に指差された床もフローリングの隙間まで綺麗になるように丁寧に掃除します。
 屈辱的な掃除が終わり、口に広がる独特の味と奴隷としての扱いに涙を流していていた私は、シャワーを浴びてくるようにという指示を受けました。私は裸のお尻を見られるのが恥ずかしくて、細い内ももを精一杯すり合わせながら、彼のいるほうの反対の方向にある浴室のほうへ這っていきます。
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