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第9章 M Lesson ３回目

いきなり強めに名前を呼ばれて、座ってる背筋をピシッと伸ばす。

「琴海様…旦那様の事ですが…」

「あ…はい…」

マサキ…それも伝えてあるんだ…。

「私は…以前の旦那様の様子も存じ上げております…もし私で宜しければ…いつでも…何なりとお申し付け下さい…」

トックン…

胸が締め付けられそうだ…。

「は…い……有難う…ございま…しゅ…」

「琴海様…タクシー使いますか？」

「ひゃい…お願い…しましゅ…ぐす…」

「畏まりました…」

そう言ってくれたヤナセの顔が…

余りにも優しくて…

自然と涙が…

溢れそうになった……。





だからすっかり…


来店予定が、抜け落ちてしまっていたのだった。