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第1章 不倫王の最近の憂鬱

なぜ不倫王という名前が彼についたのか・・・。

彼は他人には

「付き合ったり、出会ったりする女がたまたま旦那さんがいるんですよ。」

っと笑いながら適当に誤魔化しているのだが、実は違う。

彼は好んで人妻や彼氏持ちを狙うのだ。

そうすることで彼は自分の身の周りを防御するのだ。

彼にとってはそういうシュチュエーションに身を委ねることで火の粉を被らずに遊べる。

都合の良い女も散々作ってきたが適当なタイミングを見計らって別れを告げる。

　急に別れを通告された女達も家庭や彼氏がいるから追いすがる事が出来ない。

彼のスタンスに同調できる女が彼を支配し、征服できる権利を得る。

　今まで彼にはそういうシンクロした女が２００人程度いた。

　全国にたまに会えば体を貪り合える女が多い時で５０人弱はいたのだ。

その余りある女たちにも勿論ランクはあり、体の合う女や金のある女、連れて歩いて恥ずかしくない容姿の女など、彼の女性に対する征服欲を掻き立てる女たちは適当なディスタンスで彼と会うことでその時の彼を自由にできる権利だ。

　彼は１３歳で２歳上の先輩と初体験を済ませた後、セックスに没頭し始めた。

　野球部で彼は早くから頭角を表わし、多くの女の子達からファンレターやラブレターを毎日の様にもらっていた。

彼の青春時代は輝きを放ち、好きな女性を自由にできた。

　しかし、社会に出て彼をいくつかの試練が襲う。

　まず彼は何度か警察のお世話になり世間から隔離された事もあった。

　ある女性には彼の住むマンションの駐車場で果物ナイフで刺されるということもあった。

ヤクザの女に手を出し事務所に監禁され暴行を受けた事もあった。

そんな彼がある時期から若い女に一切の色目を使わずに人妻・熟女系に走ったのは自己保守の懸念があったからに他ならない。



不倫王・・・

彼は元々、「新宿の種馬」と呼ばれていたがいつしか時代を経て彼はそう呼ばれるようになっていた。

　今の不倫王である彼は危ない橋は渡らないが刺激的な出会いもあまり求めていないのかもしれない。