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「私が欲しいですか?お嬢様」
第1章 執事〜晴人〜

「お嬢様、お迎えにあがりました。」



父の葬儀を終え、母と二人の生活にも
慣れてきた頃

突然やってきた。




ママがお嬢様?


ママに向かってお嬢様と呼ぶその人は
あたしの姿も確認する。



「あちらは、彩芽様ですね。
大きくなられましたね」

その人は優しく微笑む。

だけど、ママは固まったままだ。



「はる…と…なんで」



はると?

「ママ、この人誰なの?」

状況が読めないあたしはママに質問したけど
ママはただ固まり返事はなかった。


そのかわり、はるとって呼ばれたその人が
答えてくれた。

「失礼しました。彩芽様は幼かったので
覚えていらっしゃらないですね。
あなたのお母様、つまり沙月様は
知る人も知る、名雲家の一人娘なのですよ」


え?

今、名雲って言った?


「名雲って、あの名雲…?」


ほら、今世界中を飛び回ってる…


「ママ??」


「…そうよ」



うそ…でしょ?


ママって超お金持ち!?
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