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「私が欲しいですか?お嬢様」
第10章 執事〜保護欲〜
「お嬢様、おはようございます」






朝6時。
ちょっと飲み物が欲しくて
取りに行こうと部屋を出たら
そこに颯太さんがいた。

「ーっ!?いつからそこに!?」

颯太さんはニッコリ微笑んでいた。

「起きる時間を確認せずに
寝てしまいましたので、5時から
待たせていただきました」


5時!?
「な!何してるんですか!
ちゃんと寝てください!もう!」


「大丈夫ですよ」








颯太さんが執事について
3日目。

この人のキャラが少しずつ
変わってきている…気がする。

元々そんな人だったのかも
しれないけれど、毎日驚くばかり。
こんな風に朝いることもあるし
食事にステーキとか出ると
自分で出来るのに、颯太さんが
小さく一口サイズに切ってくれる。

何か一つやるにしても
颯太さんが極力やるような形。


正直、ちょっと過剰な様な…

でもそんな事言えないでいた。


「ところで、お嬢様は
こんな朝早くにどちらへ?」


「喉が乾いたから
飲み物を取りに行こうかなって…」


「それでしたら、私が…
お嬢様はお部屋でお待ちください」



「いや、あの!自分で行きますから!」


この人の事だから
言い出すとは思っていたけど
さすがにあたしも甘えすぎはよくない。


「ですが、この程度のことで
お嬢様が動くことなど…私にお任せを…」




そ、そういうことじゃ
ないんだけどな…颯太さんってこんな
だったっけ?

「うーん、わかりました。
じゃあ一緒に行きましょう!ね!」



颯太さんは少し困った様な顔をしたが
すぐに目を細めて笑った。



「かしこまりました。
では、ご一緒に参りましょう」


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