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第6章 弟の友達
結局、渚も一緒に3人で飲んだ。

明日も仕事だからと、10時前には解散する。


双子が生まれて以来 車通勤の琉だが、今夜は飲みに行ったために車は会社の駐車場に置いてきている。

佐藤と渚と別れた駅を少し離れ、愛里咲と双子の待つ自宅マンションへの道を歩く。


………………?

背後に人の気配がして振り返れば、


「あ……」

「お前……」


先程と同じ服装のままの芙由が立ちすくんでいた。


「……高校生が出歩く時間じゃねぇだろ」

遠慮なく睨みつければ、芙由はビクッと肩を揺らす。


「ごめんなさい! あの、御礼がしたくて……その、連絡先…教えて下さい」

「やだ」

即答して、琉は芙由の腕を掴み駅の方へと、元来た道を歩き出す。


「じゃ、じゃあ名前だけでも……あと、歳とか……」

「教えない」

ズカズカと大股で歩く琉。

芙由は小走りになりながら着いて行く。


「また会いたいです。あたし、あなたの事…」

「ガキに興味ない。ていうか俺、結婚してるから」

言われて見れば、琉の左手薬指には指輪がはめられていて……芙由は唇を噛み締めた。


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