この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第10章 俺の弟は…
定時で仕事を終えた翔と渚は、足早に琉のマンションへと向かっていた。
「……あ!翔さん待って!」
途中にあるスーパーの前で、渚が足を止める。
「琉くんが料理出来るから、せめて食材だけでも買って行かない?」
渚の言葉に頷き、翔と2人でスーパーの中へと入る。
「渚も料理とかするの?」
手慣れた感じで野菜を買い物カゴへと入れていく渚に、翔は期待も込めて聞く。
「実家暮らしだから……愛里咲ほど上手じゃないですよ」
唇を突き出すようにして拗ねてみせる渚。
「…………食べてみたいな、渚の手料理」
それすらも愛おしそうに目を細めた翔は、いつかの反省も込めてそう呟いた。
スーパーの野菜コーナーでイチャつく2人。
夕飯の買い物に忙しい人たちが、邪魔臭そうに2人を見ては野菜に手を伸ばす。
それにも気付かず見つめ合い、微笑み合う2人に、
「渚⁉︎ うわ、久しぶりー!誰、この人。渚の彼氏?」
無遠慮な声が掛けられた。
渚が振り返れば、そこには…
「芙美⁉︎ 」
精神的に追い詰められていた愛里咲に決定打を与えた張本人、芙美が居た。
「芙美⁉︎ 何で居るの⁈ 」
高校時代に特別仲が良かった訳ではないが、芙美が電車通学だったのは知っている。
芙美の家からは、電車に乗らなければ来れないだろう町の、しかもスーパーで会った意外な人物に、渚は驚いた声を上げた。
「……あ!翔さん待って!」
途中にあるスーパーの前で、渚が足を止める。
「琉くんが料理出来るから、せめて食材だけでも買って行かない?」
渚の言葉に頷き、翔と2人でスーパーの中へと入る。
「渚も料理とかするの?」
手慣れた感じで野菜を買い物カゴへと入れていく渚に、翔は期待も込めて聞く。
「実家暮らしだから……愛里咲ほど上手じゃないですよ」
唇を突き出すようにして拗ねてみせる渚。
「…………食べてみたいな、渚の手料理」
それすらも愛おしそうに目を細めた翔は、いつかの反省も込めてそう呟いた。
スーパーの野菜コーナーでイチャつく2人。
夕飯の買い物に忙しい人たちが、邪魔臭そうに2人を見ては野菜に手を伸ばす。
それにも気付かず見つめ合い、微笑み合う2人に、
「渚⁉︎ うわ、久しぶりー!誰、この人。渚の彼氏?」
無遠慮な声が掛けられた。
渚が振り返れば、そこには…
「芙美⁉︎ 」
精神的に追い詰められていた愛里咲に決定打を与えた張本人、芙美が居た。
「芙美⁉︎ 何で居るの⁈ 」
高校時代に特別仲が良かった訳ではないが、芙美が電車通学だったのは知っている。
芙美の家からは、電車に乗らなければ来れないだろう町の、しかもスーパーで会った意外な人物に、渚は驚いた声を上げた。