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第2章 弟の嫁さん
愛里咲と双子の退院の日。

病院や役所を往復しなければいけないからと、琉は仕事を早退したらしい。


母親は何と、仕事を休んだ。

(どんだけ楽しみにしてんだよ…)

寝ている双子の片割れを抱っこしたまま離さないという母親に、仕事から帰宅した翔は大きくため息を吐いた。


(ていうか、帰宅した時に母親がいるって久しぶりな気がする)


小さい頃から両親は共働き。

父親の帰宅は9時頃だし、午後から働く母親の帰宅もそれくらい遅い。


残業の少ない会社だから、翔の帰宅は7時頃。

帰宅すれば母親が作り置きしてくれてある夕飯を食べ、部屋に篭る。

帰宅した母親が用意した風呂に入り寝る。


朝はギリギリに起きるから、大抵”10秒メシ”

学生の頃はお金もないし、昼は母親の作ったお弁当を食べていたけれど、会社では母親のお弁当を食べるのが恥ずかしくて外食で済ませる。


翔にとっては、そんな生活がすっかり定着していた。

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