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コンプレックス
第13章 俺の周りの企み

「……何か……最近 凝ってんな?」
夕飯ともなれば、フルコースのように出される料理の数々。
味付けはもちろん、盛り付けにもかなり凝ったその料理たちに、琉はため息を零した。
「ごっ……ごめんっ……疲れてるのに……重い、よね……」
泣きそうな顔で俯く愛里咲に、琉はまたため息を零す。
「そういうんじゃなくて……何か、あったのか?」
部屋を見回せば、埃一つ落ちていない綺麗に片付けられた室内。
1日2回は回す洗濯機だって、取り込んだ後はすぐに片付けられている。
双子の赤ん坊が居るとは思えない程に片付けられた室内は、ある意味生活感がない。
今だ夜中に2度は大泣きをする陽向。
グズグズし始めれば愛里咲が陽向を連れて別室に移動するため、もしかしたらそれ以上に泣いているのかもしれない。
それなのに、朝からキチンと琉の朝食を作り、三回食となった双子の離乳食もキチンと作っているという。
更に、夕飯にはフルコースのような料理。
いつ休み、いつ寝ているのか…
さすがの琉も、愛里咲が心配になる。
”愛里咲の母乳が出なくなったって、琉くん知ってる?”
愛里咲を心配した芽衣から掛かってきた電話。
”愛里咲、最近無理してる。ちゃんと見ててあげてね”
芽衣に言われなくても、琉も気付いていた。
でも……
「何も、ない……よ……」
泣くのを必死に我慢して、
愛里咲は無理やり作った笑顔でそう答える。
どれだけ頑張っても空回っている気がする。
これ以上はないくらいにやってみても、愛里咲の思う ”完璧” には近付けない。
悔しさに滲む涙を零さないように上を向き、歯を食いしばって天を睨む。
どうにか引っ込めた涙に気付かれないように、愛里咲は普段よりも大袈裟な笑顔を浮かべる。
「無理してないか?」
「してないってば」
同じようなやり取りを何日も繰り返している。
どんどん酷くなる愛里咲の作り笑いに、
─────ダンっ‼︎
琉は愛里咲を壁際へと追い詰めた。
夕飯ともなれば、フルコースのように出される料理の数々。
味付けはもちろん、盛り付けにもかなり凝ったその料理たちに、琉はため息を零した。
「ごっ……ごめんっ……疲れてるのに……重い、よね……」
泣きそうな顔で俯く愛里咲に、琉はまたため息を零す。
「そういうんじゃなくて……何か、あったのか?」
部屋を見回せば、埃一つ落ちていない綺麗に片付けられた室内。
1日2回は回す洗濯機だって、取り込んだ後はすぐに片付けられている。
双子の赤ん坊が居るとは思えない程に片付けられた室内は、ある意味生活感がない。
今だ夜中に2度は大泣きをする陽向。
グズグズし始めれば愛里咲が陽向を連れて別室に移動するため、もしかしたらそれ以上に泣いているのかもしれない。
それなのに、朝からキチンと琉の朝食を作り、三回食となった双子の離乳食もキチンと作っているという。
更に、夕飯にはフルコースのような料理。
いつ休み、いつ寝ているのか…
さすがの琉も、愛里咲が心配になる。
”愛里咲の母乳が出なくなったって、琉くん知ってる?”
愛里咲を心配した芽衣から掛かってきた電話。
”愛里咲、最近無理してる。ちゃんと見ててあげてね”
芽衣に言われなくても、琉も気付いていた。
でも……
「何も、ない……よ……」
泣くのを必死に我慢して、
愛里咲は無理やり作った笑顔でそう答える。
どれだけ頑張っても空回っている気がする。
これ以上はないくらいにやってみても、愛里咲の思う ”完璧” には近付けない。
悔しさに滲む涙を零さないように上を向き、歯を食いしばって天を睨む。
どうにか引っ込めた涙に気付かれないように、愛里咲は普段よりも大袈裟な笑顔を浮かべる。
「無理してないか?」
「してないってば」
同じようなやり取りを何日も繰り返している。
どんどん酷くなる愛里咲の作り笑いに、
─────ダンっ‼︎
琉は愛里咲を壁際へと追い詰めた。

