この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
コンプレックス
第13章 俺の周りの企み
「……何か……最近 凝ってんな?」

夕飯ともなれば、フルコースのように出される料理の数々。

味付けはもちろん、盛り付けにもかなり凝ったその料理たちに、琉はため息を零した。


「ごっ……ごめんっ……疲れてるのに……重い、よね……」

泣きそうな顔で俯く愛里咲に、琉はまたため息を零す。


「そういうんじゃなくて……何か、あったのか?」


部屋を見回せば、埃一つ落ちていない綺麗に片付けられた室内。

1日2回は回す洗濯機だって、取り込んだ後はすぐに片付けられている。

双子の赤ん坊が居るとは思えない程に片付けられた室内は、ある意味生活感がない。


今だ夜中に2度は大泣きをする陽向。

グズグズし始めれば愛里咲が陽向を連れて別室に移動するため、もしかしたらそれ以上に泣いているのかもしれない。


それなのに、朝からキチンと琉の朝食を作り、三回食となった双子の離乳食もキチンと作っているという。

更に、夕飯にはフルコースのような料理。


いつ休み、いつ寝ているのか…

さすがの琉も、愛里咲が心配になる。


”愛里咲の母乳が出なくなったって、琉くん知ってる?”

愛里咲を心配した芽衣から掛かってきた電話。

”愛里咲、最近無理してる。ちゃんと見ててあげてね”

芽衣に言われなくても、琉も気付いていた。


でも……

「何も、ない……よ……」

泣くのを必死に我慢して、

愛里咲は無理やり作った笑顔でそう答える。



どれだけ頑張っても空回っている気がする。

これ以上はないくらいにやってみても、愛里咲の思う ”完璧” には近付けない。

悔しさに滲む涙を零さないように上を向き、歯を食いしばって天を睨む。

どうにか引っ込めた涙に気付かれないように、愛里咲は普段よりも大袈裟な笑顔を浮かべる。


「無理してないか?」

「してないってば」

同じようなやり取りを何日も繰り返している。


どんどん酷くなる愛里咲の作り笑いに、

─────ダンっ‼︎

琉は愛里咲を壁際へと追い詰めた。



/395ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ