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第2章 10年前

｢お久しぶりです｣


電話はマユからではなく、マユの母親


からだった。ユウの鼓動が早くなる。


｢マユに何かあったんですかっ？｣


｢ユウマさん、私達を助けてもらえま


せんか？｣


ユウには訳がわからなかった。会話が


全く成立していなかったからだ。それ


に、まだ好きではいたが、マユとは半


年以上前に別れている。ちょっとした


ケンカが原因だった。