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近くて甘い
第44章 White Prince and Black Prince

恥ずかしさから思わず俯いた愛花の顎を、浩平は掴んでそれを阻んだ。
「俺…ヘタレでどうしようもねぇけど…」
「─────…」
「すげぇ…野口の事が好きだ…」
ギュッと目を瞑った愛花。
浩平の言葉に異常なほど高鳴る鼓動。
心臓ではなく、自分の身体が揺れているのではないかと思うくらい、大きなこの鼓動…
「私もっ…浩平くんのことっ…」
ざわざわと、来訪者の声が校庭から響く。
「浩平くんのことっ…大好きっ…」

