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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第9章 玲奈~セクハラ常習犯に狙われた人妻
「課長、またですよ」

○○商事コンプライアンス部門は、機能別に複数の課から構成されていた。

最近新設されたのがハラスメント相談課である。

セクハラ、パワハラを含むあらゆるハラスメントに関する、社内相談窓口だ。

社外への通報制度を備える一方で、社内での組織整備も当然求められた。

「栗原くん、頼んだよ」

課が創設された際、人事部長にそう発令されたのを、玲奈はまだ覚えている。

4大卒のエリートして入社して、早15年。

社内の先輩と結婚後も、栗原玲奈は勤務を続けた。

夫婦の間に子供はない。

結婚後、その美貌には更に磨きがかかったと、社内では評判だった。

「栗原さん、綺麗だよな」

「あの美脚、たまんねえよ」

「ああ見えて胸もいい形してそうだし」

後輩の男性社員は、玲奈をネタにそんな噂話を始終展開していた。

その玲奈が、新設のハラスメント対応に異動という。

主に企画部門で実力を発揮してきた玲奈には、その異動は意外だった。

「私がハラスメント相談課? しかも課長に昇格?」

それは、昇格を伴った異動でもあった。

「女性が適任と考えてな、いろいろ候補を考慮したんだが」

「で、私、ですか?」

「これが務まるような正義感を持った強い女性は栗原君、君しかいない」

確かに、人事部長の言葉は事実であった。

自信に満ち溢れた玲奈の仕事ぶりは、同僚たちを常に圧倒していた。

悪事を許さないという玲奈の強い信念は、社内でも評判だった。

いまだ男性優位のこの会社で、玲奈を課長に抜擢したのもその証拠といえた。

「わかりました。精一杯頑張りますわ」

就任直後から、玲奈は社内の風紀の乱れを厳しく取り締まり始めた。

特に女性社員からそれは歓迎された。

そんなある日、玲奈はその報告を聞いたのだ。

部下の矢島、まだ20代半ばの男性社員が1枚の紙片を持っている。

「見せなさい」

課長席で座ったまま、玲奈は彼のレポートに目を通した。

ある社員のセクハラ行為が糾弾されていた。

「これでもう3回目ですよ、課長」

「ねえ、課長っていう呼び方」

「あっ、すみません・・・・」

「気を付けて。で、3回目なの、今回が?」

「今までは言い訳ばかりしてたけど、もう駄目でしょう、これは」

「そうね」

人妻課長の視線は、そこにある男性社員の名前に注がれている。
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