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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第23章 瑞季〜写真教室での出会い
人妻の冷めた日々の暮らしに、かすかな光が差し込んだ。

「私、今日は写真講座の日だから」

朝、家を出発しようとする夫に、瑞季はそう声をかけた。

だが、夫は玄関先で不機嫌そうに靴を履き、振り向きもしない。

「行ってくるよ」

妻の言葉を無視したまま、夫は会社に向かった。

今日も帰宅は深夜だろう。

働いてくれる夫に対し、自分に不満が言えるはずはない。

それはわかっていたが、しかし瑞季は寂しさと困惑を感じずにはいられなかった。

結婚後、時間が経つにつれて憂鬱な感情は増している。

そんな人妻に笑顔を思い出させてくれたのが、写真講座だった。

いや、正確に言えば、そこで出会った彼の存在かもしれない。

講座は既に数回開催され、瑞季は全て出席した。

そして、彼もまた、いつも出席し、瑞季の近くに座った。

「瑞季さん、こんにちは」

「こんにちは、瀬田さん」

そんな簡単な挨拶だけで、それ以上の会話はほとんど交わしていない。

だが、瑞季はセミナーが終わった後、駅まで彼と歩く時間が好きだった。

陽が翳り始める夕方の街、彼と寄り添うように歩き、短い言葉を交換する。

そして今日もまた、二人は駅に向かって歩いている。

雑踏の中、彼の腕が僅かに人妻の腕に触れ、彼女の鼓動を高鳴らせる。

「次回は楽しみですね、瑞季さん」

「えっ?」

「外に行くなんて。面白そうじゃないですか」

次回は郊外の公園に出かけ、そこに広がる風景を撮影するという予定だった。

「参加されますよね、瑞季さん」

「もちろんです」

「また、そこで瑞季さんの写真を撮っていいですか?」

さりげない彼のリクエストに、瑞季は戸惑い以上に嬉しさを感じた。

「でも、私なんかで・・・・」

「瑞季さん、とても綺麗ですよ。ご主人がうらやましい」

別れ際、冗談めいた雰囲気で、彼は瑞季にそう声をかけた。

もう少しだけ彼と・・・・。

自分の結婚生活がどんなものなのか、彼に全てを打ち明けてしまいたい。

駅の改札付近で、瑞季は別れを告げることのできぬまま、下を向いた。

「瑞季さん、大丈夫ですか?」

「え、ええ・・・・」

人妻の思い悩む雰囲気に、瀬田はようやく気づいたようだった。

「瑞季さん、もう少しだけどこかでお話ししましょうか?」

彼の誘いに、人妻は素直にうなずいた。
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