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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第24章 志津〜人妻ランナーの秘密
「素敵な街ね」

ホテルから少し歩けば、古い街並みが残る観光エリアがある。

小さな川の両岸に江戸の風情を残した木造の家々が並ぶ。

川沿いで揺れる柳の木々の下、志津はのんびりと散策を楽しんだ。

「プリンなんて、最近食べてないわね」

ふと見かけた小さなカフェは、自家製プリンで人気らしい。

観光客が集まるその店を覗いていると、中にいた店員が志津に声をかけた。

「いかがですか?」

「おいしそうね。食べてみようかな」

これもまた、ささやかな自由の一部なのかしら。

そんなことを思いながら、志津はプリン、そして桃のジュースを満喫した。

「これじゃすっかり観光旅行ね」

屋外のテーブル、志津は澄んだ青空を見つめ、伸びをするように立ち上がった。

「少しだけ走ろうかな」

明日のレースは10キロ走だ。

これまでのレースより少し早い、午前8時のスタート。

走り切った後の快感を想像すれば、早く走りたいという気持ちが強くなる。

「明日こそ、1時間を切りたいな」

それは、志津が密かに自分に課した目標だった。

「頑張ろっと」

川に沿って歩き続ければ、やがて市民の憩いの場である公園にたどり着く。

明日はここを出発し、郊外の田園地帯に向かうコースだ。

大きな池、そして深い森が広がる公園の中、志津はゆっくりと走り始めた。

会話ができるような、無理のないペースで走ればいいんです。

ランニングを始めた頃、どこかでそんなアドバイスを目にしたことがある。

「今日は超ゆっくりで行くわよ」

明日はレース本番だ。

別に走らなくてもいいのだが、志津は軽く汗をかきたい気分だった。

周囲には明日のレースに出る様子のランナーも何人かいた。

お互いに挨拶を交わしながら、気持ちのいいジョギングを志津は楽しんだ。

秋の午後、日差しが少しずつ弱まっていく。

散策と軽いランを終えた頃、西の空には美しい夕焼けがあった。

「そろそろ戻ろうかな」

志津は夕食のことを考えた。

それは楽しみでもあるが、一人での食事はもちろん寂しくもある。

「いいじゃない、一人を満喫するわ」

そんな風に自分にささやき、志津がホテルに戻ろうとしたときだった。

「あっ、こんにちは」

背後から突然かかった声。

「えっ?」

30代前半と思われる若い男性が、笑顔で人妻を見つめている。
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