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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第25章 涼子〜娘の家庭教師
2月。

共通テスト結果が想像以上に良かった娘、紗絵。

二次試験が行われるのは、今月末だ。

「油断しないで、紗絵」

母親としては、何も言わず、娘を信じてやればいいだけ。

そうわかっていても、涼子は娘を見ると、ついそんなことを口にしてしまう。

そんなことママに言われなくたって、わかってるわよ。

娘は、しかし、最近はそんな言葉も返してくれない。

勉強に集中しているのか、それとも・・・・

「お母さん、大丈夫ですよ」

「そうかしら・・・」

2月になり自由登校になったとかで、紗絵は自宅に篭りきりで勉強している。

大学の試験も終えた優斗は、毎日ここに通ってくる。

午後、そして夜遅くまで。

軽い夕食を挟みながら、二人は密室で自分たちだけの時間を過ごすのだ。

娘の勉強とは別の不安を、涼子はずっと抱えている。

もしも紗絵が合格したら、あの子、正式に優斗くんとお付き合いを・・・

東大生で、穏やかな性格、そしてハンサムな彼。

娘のボーイフレンドとして、これ以上、何を望めばいいのだろう。

だが、涼子はそれが現実になってしまうという想像から、ずっと逃げている。

「紗絵ちゃん、2月になって更に伸びてますよ」

人妻の懸念に気付かぬまま、彼は家庭教師としての役割を全うしているようだ。

「この調子なら、合格間違いないと思います」

「優斗くんのお陰よ、ここまで来たのも」

「紗絵ちゃんの頑張りですよ、お母さん」

そう話す彼は、娘にやはり特別な感情を抱いているように思えてしまう。

「あなた、紗絵のことなんだけど」

相変わらず、帰宅が遅い夫、忠司。

妻と会話を交わすことなく寝ようとする夫に、涼子は声をかけた。

「試験はいつだ? 月末かな」

「あの子、家庭教師の彼に夢中みたいで・・・」

夫に聞いてもらおうと、そんな大袈裟な言葉を口にする妻。

だが、夫の反応はどこまでも無関心、そして常識的なものだった。

「いいじゃないか、別に」

「あなた・・・」

「しっかりした先生なんだろう。成績が伸びているのは彼のおかげじゃないのかい」

同じベッドで寝る夫、もう何年も抱いてもくれない。

乾いた肉体が、人妻の心を確かに乱し、さざ波を立て続けている・・・。

そして3月・・・

「ママ、合格よ!」

合格発表をスマホで確認した娘が、部屋から飛び出してきた。
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