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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第4章 弘子~主婦一人旅での出来事
40代に入っても、弘子は過去のプロポーションを維持していた。

160センチの身長に、スリムな肢体。

細いスタイルに矛盾するように豊かな曲線を描く胸元。

勿論、20代の頃と比較すれば、体重は多少増えた。

だが、それは熟れた女性としての肉付きとなり、魅力を増していた。

自身気づいてはいないが、弘子は男好きのする肉体の持ち主であった。

肌は白く、まだ十分な艶と張りがある。

くっきりとした顔立ちは、とても大学生の娘がいる母親には見えない。

私だって、まだまだ捨てたものじゃないんだわ・・・・・・・・

弘子は夫にこの場面を見せつけてやりたいような気分だった。

だが、一方で警戒心もまだどこかにあった。

出会ったばかりの男に誘われるまま、写真のモデルになる。

そこには何か、危ない香りが漂っているようにも思えた。

だが、そんな新しい体験に出会うことこそが一人旅の目的だったはず・・・・。

礼子はしばらくの間、そんな葛藤を心の中で展開した。

「いかがでしょうか。モデルになってはいただけませんか?」

爽やかな笑顔で、笹本が礼子に誘いをかけた。

「せっかくですが・・・・・、遠慮させてください・・・・・・・」

自分が発した言葉に、礼子は内心戸惑いながら、取り消すことができなかった。

「それは残念です。でも、普通、断りますよね、見知らぬ男性に写真のモデルになってくれと突然言われても」

「あっ、そういうわけでは・・・・・・」

「どうぞ、ご旅行を楽しんでください」

笹本は素早く立ち上がり、礼子に別れを告げた。

礼子のビールの伝票を素早く握りしめ、彼は出口に向かった。

「あ、あの・・・・・・・・」

「お話させていただいたお礼ですよ」

店から軽く手をあげて出ていく笹本を、礼子はただ見つめることしかできなかった。

いったいどうしたっていうの・・・・・・・

違う自分を見つけたくて、一人旅に出たんじゃなかったの・・・・・・

普段の自分の殻に閉じこもろうとする自分を、礼子は激しく責めた。

だが、彼は勿論、戻ってくることはなかった。
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