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half. ~Sweet blood~
第12章 幸せは、誰にでも…



「今まで連絡も出来なくてごめん」


「いや、こーやって来てくれたんだ。十分だって、でも本当にここでいいのかよ」


「うん、今俺行くとこなくてさ…思いついたらあそこに足運んでた」


「そっか…大変だったろ」




キャリーケース1つだけ持って、新幹線に乗り…俺の育った場所へと向かう。涙はとうに枯れ、別れもしてきた。本当の別れを…でも最後の言葉は《ありがとうございました》だった。決して《さよなら》ではないんだ…何故なら彼は俺の中で生き続けてるんだから。




「もう、落ち着いたのか」


「うん、俺が居たら色々やばいからね。後は川島さんに頼んできた…逃がしてもらったって感じかな」


「川島って?」


「一緒にいたでしょ」


「あーあいつか、俺の嫌いなタイプな」


「根はとても良い人だから」




古い写真を眺めながら、懐かしむように話す。きっと家族だった時の写真だ…




「俺ね間違ってたって分かってるよ。でも、やっぱり離れられなかったんだ」


「あぁ、分かってる」


「謝んなきゃって思ってた。でもどんな顔して会えばいいか分かんなくて…来るの遅くなっちゃった」


「謝る事じゃねーって、気にしてねーから」



いつか止めようと努力したが、無理だった…煙草を咥え、空になった箱を潰しゴミ箱へ投げ入れる。もう止める必要もないんだよな…吸う度に思い出す《不味い》と怒る奴の顔が。




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