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half. ~Sweet blood~
第8章 難航、その先に…


「雪斗死ななくて良かったな。タツキに感謝したほうがいいぞ」


「ハァ…あ…あぁ、だな」


「おい、なんで達希に感謝すんだよ。ユキ刺されてんだぞ…死んでたらどーすんだ」


「死なねーよ」


「は?」


「アイツ、ちゃっかり急所外してたからなぁ…抜かずにに刺したままだし。そんなに対したことねーよ」


「っ…ハァ…達希…ごめんっ…て…だから、もっ…いいんだよ」



貧血を起こし力の入らない体をなんとか支え、達希の言った事を伝えた。夕日が差し込む車内には波の音が響き、そしてまた…昂の泣き声が共鳴する…



「な、昂?だからもう帰ろう」


「っ…わか…っ…た」


震える肩は昂をとても弱く見せた。



「ハァ…達希、最後に…言ったんだ…《俺を助けてくれた大切な人なんだ》って…」




達希は呟いたんだ。
震える声で。

白瀬を守る為にした事…それは許される事ではない。だが、そうしてでも守りたい人だったんだ…《居場所》それを俺たちが奪ってはいけない。数年間の間で変わったのはお互いの生き方だ、でも変わらず残っていたものもある…《ユキちゃん》…脳裏に残る達希の声。それは幼い時のままだった気がした…



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