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好きと言って
第4章 思ひそめてん
「れん・・・・せんぱ?」

「あんなふうにハルトが梨乃を傷つけるなら・・・・
俺が初めから梨乃を奪えばよかった」

「せんぱい?」
何を言ってるの?
レン先輩。

「レン?梨乃?」

同じお店にいたらしいハルト先輩がお店から出てきた。
気持ちがゆるぎたくない私はハルト先輩に会いたくなくて
逃げようとしたところを捕まった。

「待って。ずっと謝りたかったんだ」
「・・・・」
「あの日。ごめん。動転している麻子の話を聞いて俺も動転した。
大事な日だったのに。本当にごめん」
「・・・・」
「あれから梨乃に連絡が取れなくなって、改めて梨乃が好きだと感じたんだ。
俺たち、やり直せないかな」
「・・・・」
「梨乃」

じっと私を見るハルト先輩の瞳は揺れていて。
でも、ハルト先輩。
ハルト先輩が気づいたように。
私も気づいたことがあるんです。

「ハルト先輩。私は・・・・もうやり直せない」
「梨乃・・・」

ハルト先輩が忙しかったとき
ハルト先輩がデートに来られなかったとき
ハルト先輩が麻子さんと一緒にいたとき

私のそばにいてくれたのはレン先輩だったの。



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