この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
銀の木洩れ日亭へようこそ
第3章 魔法を嫌う森
「礼を言う。おかげで死なずに済んだ」

宿屋内部のこぢんまりした食堂で卵粥をお代わりして平らげたジークは、向かいで茶を淹れる女性に深々と頭を下げた。

「申し遅れた。俺はジーク。
エーデルシュタインから…理由あって追われていて、この森に落ちた」

東方の魔術大国の名に、女性はほぉ、と目を丸くした。

「エーデルシュタイン…
最近は情勢があまり良くないと聞くけれど」

「勇者が魔王を封印して2年。魔物の脅威に怯える必要はなくなったけど、今度は人同士の争いで忙しい。人間は案外争い事が好きみたいだ」

皮肉を込めて苦笑するジークに大して興味もなさそうに彼女は相槌を打つ。

「まあエーデルシュタインに限らず、どこの国も似たようなもんか。…あそこから来たなら、君も魔術師なんだね」

その問いにジークはふいと目を逸らす。

「いくつか使える魔法があるだけで、魔術師じゃないよ。弓のほうが得意だけど、国では認めてくれる奴はいなかった…

そんなことより。
我ながら本当に運が良かったと思うけど…こんな場所に、しかも女性が独りきりで宿屋をやっているなんて。人を惑わす森の妖精…というわけでもなさそうだが」

冗談混じりに問いながら、ジークは女性の瞳を覗き込んだ。
自分はまだ、この美しい恩人のことを何も知らない。

「私の名はルチア。大魔術師だ」

ルチアと名乗った目の前の女性は、誇らしげに胸を反らす。

/26ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ