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銀の木洩れ日亭へようこそ
第1章 君を拾う
優しいメロディーがふんわりと意識の表面を撫でていく。

鼻腔をくすぐる、草花の香り。


ジークはゆっくりと瞼を上げた。

真新しい白木の板が渡された天井。
ベッドの脇にある小窓からは、明るい光が穏やかに差し込んでいる。


夢見心地に何度か瞬きを繰り返す。



途端に濁流のように蘇る記憶。

脳裏で轟く蒼い雷光。


慌てて身体を起こし、身構える。

胸骨が軋み、息が詰まった。
思わず呻き声が漏れる。

「あ、気がついたみたいだね」

流れていたメロディーが途絶え、代わりに知らない女の声が思いの外間近で耳に届いた。

捕らわれたか!?

手負いの獣のような鋭さで声の主を警戒する。

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