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銀の木洩れ日亭へようこそ
第4章 お客さま
「いらっしゃい!薬?それとも宿?」


ルチアに促されて中に入ってきたのは二人。それぞれ旅装に剣を佩いている。

ジークは極度の緊張の中、男達の肩章に素早く視線を走らせる。


輝く星に交差する長剣の徽章。


自国のものではないことを確認し、ともかく浮かせかけた腰を落ち着けた。

だが、あれは北方隣国シュトラールの騎士団章。

それは彼を安堵させるには至らず、ジークは油断なく男達の様子を探る。


筋骨隆々の壮年の男はジークよりも長身で、白金の髪を短く刈り込んでいる。

もう一人の小柄な男は、一歩下がったところで影のように佇んでいる。
深く被った頭巾の合間から覗く瞳がいやに鋭いのが印象的だった。


ジークのことには目もくれず、彼らは宿の主人の声に機嫌よく答えていた。

「二人だ、簡単な飯とベッドと・・・」

壮年の男がルチアの全身を眺め、彼女の腰を抱き寄せた。

「アンタはいくらだ?」


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