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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱

 ――じゃ、質問には答えたんで。
 そう言い残し、麻人は部屋を出て行った。タオルと着替えを持ち、浴室に向かった。
 ベッドに取り残されながら、酷く腑に落ちない気分だった。
 結局、あいつには勝てない気がする。こっちが何かを仕掛けても、いつもその上手を取られているような。

「温泉旅行じゃ、覚えてろよ」

 それが悔しい反面、楽しくもあった。麻人をいじめる妄想を、頭の中であれこれ考えることが。
 私はベッドに倒れ込むようにして横になり、天井を見上げた。
 麻人が出たらご飯だ。それまでは、とことん妄想に耽ってやろうと決意して、私は目を閉じた。
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